筋トレに至るまで
スポーツは苦手ではありませんでしたが、いわゆる体育会系のノリは好きではありません。
アウトドアで大勢とキャンプを楽しむよりも、インドアでひとりモニターに向かっている方が好きです。
昔、玩具の会社で「AQUAROIDO(アクアロイド)」というクラゲ型のロボットを企画したときの取材で、「親戚一同が集まっている正月のリビングよりも、ひとりだけのドライバーズシートの方が居心地が良い。そういう人にとってのペット・ロボットとのコミュニケーションは、玩具メーカーがいろいろ出しているああいうのじゃない。あんなの、いい大人が本当に欲しいのか。」みたいな空気の読めないことを話したら、記事に使われて、ごく少数の方から共感を得られたのを思い出しました。
冒頭から脱線しましたが、60歳になって筋トレを始めて、身体つきが変わりました。
それは、本当に、明確に、です。
何度もトライして諦めた食事制限や有酸運動では得られなかった成果でした。
どうやって痩せたのかは、今後も書いて行こうと思うのですが、今回は、太っていた30代から50代について、ちょっと思い出してみようと思います。
暴飲暴食の20代
20代の頃から生活習慣は乱れていて、カラダを気遣うことはありませんでした。
バブル期だったこともあり、社外はもちろん、社内のメンバーとも毎晩のように食事をして深夜まで飲み歩いていました。
二日酔いで出勤なんてことは日常茶飯事でしたが、それでも夜になればまた飲みに出かけるような日々です。
仕事のスタイルは今とは違っていて、徹夜での会議準備などは当たり前で、休日出勤も多く、代休など全く消化できませんでした。
休日には家でのんびりという時代では無く、テニスやスキーに出かけるなど、予定が入っていないと死んでしまうかのように時間を埋めていました。
本当はひとりで過ごすことが好きな私ですが、それがこんな生活を送っていたわけです。
身体のケアなど、考えたこともありませんでした。
肥満が始まる30代
食べても飲んでも体型は変わらず、寝なくても病気とは無縁だった20代でしたが、30代になるとまず体型が変わり始めました。
社外との食事は相変わらずでしたが、社内メンバーとの食事は減っていたように思います。
それでも毎晩お酒は飲んでいて、休日はひとりでいても昼間から飲んでいました。
この頃、大失恋をしたのですが、仕事を忙しくしていることが精神安定剤みたいなもので、休みを取らない方が元気でいられるというワーカー・ホリック状況でした。
人間ドックでは再検査が常になりますが、結局は経過観察で終わるので危機感はありません。
ただ、見た目はどんどん肥満体型になっていました。
成人病予備軍の40代
人間ドックの再検査は、相変わらず。
脂肪肝との診断があり、生活習慣病の手前と注意をされるようになりました。
家族を持ったものの、仕事環境は悪化。
ストレスが高まります。
運動不足のせいか脊柱管狭窄症を発症し、痛みに苦しみました。
(今も数年おきに強烈な痛みが襲ってきます。)
さらに仕事のストレスで鬱病と診断されて、長く通院することになりました。
転職を余儀なくされ、外食などの付き合いは無くなりました。
また、アルコールは飲むと歯止めがきかず、鬱を悪化させるので控えるようになりました。
また、疲れも鬱症状に影響するので、運動もせずに自室に引きこもるようになります。
体調不良の50代
転職を繰り返すことになる中、精神的なストレスだけで無く、身体も悲鳴を上げます。
尿管結石(たぶんチョコレートの食べ過ぎ)、肺炎(抵抗力低下)などで入院・手術などがあり、「これは健康になった方が医療費がかからないんじゃないか」と思うようになります。(あたりまえ。)
咳が止まらない、ドライアイで血管が切れて目が血まみれになる、などは頻繁に起こり、脊柱管狭窄症に加えて、ギックリ腰にもなって痛みで苦しみます。
鬱の症状として、私の場合、経済的な不安が増大する傾向があったので、こうした問題は解決しておいた方が再発防止になるので、真面目に取り組みます。
医師からは背中の筋肉を付けた方が良いとアドバイスを受けたこともあり、50代の後半になって、近所にあったメジャーなスポーツクラブに入会します。
ジム・トレーニングを始めてみるものの
いろいろ調べます。
いきなり運動するとケガをする。まあ、そうでしょう。
そこで、まずはプールです。
しかし、20mをクロールで泳げません。
平泳ぎで顔を出しながら泳ぐのがカッコ悪くて、ただただ水中ウォーキングを繰り返します。
昼間のスポーツジムは、健康なご老人が沢山いて、ガンガン泳いでいます。
そんな方を横目に、おばさま方とプールを行ったり来たり。
カラダを左右に振ってみたり、パンチやキックをしながら、ただただ歩きます。
スポーツジムのプールは水中用のヘッドホンの使用が許可されているので、音楽を聴けたのは救いでした。
水着やゴーグル、水中ヘッドホンなど、いろいろ購入して退路を断つ意思はありますが、全く楽しくありません。
プールが空いている時を見計らって、少しずつ泳ぐ練習もしてみます。
ただ、基礎体力が無いので直ぐに息が切れてしまいますし、息継ぎが下手なので不安感が強くなってしまいます。
水の中で不安になると、もう泳ぐどころでは無くなってしまいます。
次にランニング・マシンです。
「痩せるには20分以上の有酸素運動だ」というのが、当時の有力な説でした。
スポーツ・ジムには、ランニングマシンがずらりと並んでいます。
中学生の時には、長距離は得意でしたから走れるつもりでいました。(40年も前の話し。)
ところが、早歩き程度のスピードでさえ、数分も走れません。
さらに悪いことに、ランニングは脊髄の神経を刺激するようで、右手が痺れてしまうのです。
走ることは諦めて、傾斜を付けたマシンの上を歩くことにしました。
そして、自転車こぎも付け足します。
ランニングやバイクのマシンにはテレビ・モニターが付いているので、ダラダラと画面を見たり、スマホを観ながら運動します。
今思えば、長時間かけて疲れているだけで、カロリー消費はしていても、何の運動にもなっていなかったかもしれません。
そうこうしていると、少し仕事が忙しくなってきました。
もともと運動嫌いですから、ジムへ行かない理由ができて、すっかり通わなくなります。
60代を前に
59歳の時、60歳から初めてのことに挑戦すめるか、過去に諦めたことを改めてトライしてみようと思い立ち、いくつかのテーマの中にダイエットを入れました。
スポーツクラブの契約は継続していましたので、改めて水泳とウォーキングを始めました。
水泳は苦手でしたが、この動画にお世話になり、時間をかければ、クロールで 1kmを泳げるようになりました。
落ちやすい内臓脂肪や締まりの無い身体が絞れたので直ぐに体重は減りました。
ただ、身体つきはカッコ悪いままでした。
ダラダラと有酸素運度を半年ほど続け、その後、3ヶ月ほどサボった後、60歳まであと3ヶ月というタイミングで筋トレを始めました。
数値的な変化がみられたことはもちろん、何よりも見た目の変化がモチベーションを高めてくれました。
まだまだ脂肪はたくさん付いていますが、それでも以前よりもウェストは小さくなりました。
トップの写真は、2年前に作ったスーツのパンツです。
直近のことは、こっちで。
この1年は体調も良く、病院には60歳になって無料で受けられる検診にしか行っていません。
今後は、筋トレを中心にしつつ、有酸素運動も取り入れて体脂肪の減少に努めようと思っています。
2023.11.8