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『MOROCCAN ROLL』 Brand X

『モロカン・ロール』 ブランド X 1977年

超テクニック集団、ブランド X のセカンドアルバムです。
アルバム・コンセプトは「モア・ロックン・ロール」。
その駄洒落で、タイトルは「モロカン・ロール」。
さらにジャケット撮影はモロッコ(?)。

楽器を演奏する技術のある人は演奏自体に関心があるので、コンセプトやアートワークや歌詞に関心が薄いように感じられることがあります。

正しい情報は分かりませんが、なのでこのアルバムもそんなに深いメッセージがあるわけでは無く、本当に駄洒落なのかもしれません。
異国情緒を感じる1曲目の「Sub in the Night」は、駄洒落を完成させるために後付けで作られたのではないかとさえ思えます。

ジェネシスフィル・コリンズが参加したことで話題性が増したバンドですが、パーシー・ジョーンズのベースは聴く価値があります。
他のメンバーも腕利きのプレイヤーで、確かに素晴らしい演奏なのです。
でも、実はあまり知らない方々でした。スイマセン。

カテゴリーとしては、ジャズ・ロックに分類されているようですが、少し前まで聴いていたソフト・マシーンとは趣が異なります。
こちらはドライブのBGMにしても同乗者に嫌われることは無いでしょう。
少し意地悪な意味で、アメリカ的で聴きやすいです。
楽曲志向ではなく演奏志向という感じで、上手な人たちが上手な演奏を聴かせてくれます。
ジャズ・ロックというより、フュージョン・ロックというと誤解が生じるでしょうか。

聴きどころは、8曲目の「Malaga Virgen」。
全ての曲で個々のプレイや楽器の音は素晴らしいのですが、この曲は特にエッジが効いていると感じました。

昔、CDを買ったときにはあまり思い入れが持てなかったアルバムでしたが、これを書きながら、2回、3回とおかわりして聴くうちに、だんだんと気に入ってきました。
肉や魚、野菜やフルーツなどをいろいろと入れて作るモロッコのタジン料理のように、それぞれの素材がいい具合に合わさった見事なアンサンブルが楽しめます。

投稿日:2023.3.28

Photo by sajimon sahadevan – unsplas

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