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ローリング・ストーン誌が選ぶ偉大なシンガー200には選ばれなかったけれど、個人的には入っていて欲しかった 10人 

2023年1月に公開されたローリング・ストーン誌の「The 200 Greatest Singers of All Time」を見ましました。
「なるほど」と感心したり、「なんでこの人が、この人より上位なんだ」と思うところが面白味で、おそらく誰もが納得するランキングは作れないでしょうし、時代によっても順位は変動することでしょう。

The 200 Greatest Singers of All Time
Best Singers. Beyonce, Prince, Adele, Bob Dylan, Whitney Houston, Mariah Carey

200位の中には私の知らないアーティストもいて、このランキングをきっかけに聴いてみたくなりました。
一方で、「なんでこの人の名前が無いの?」とも感じてしまったので、それを挙げてみようと思って書き始めています。(番号は順位ではありません。)

1.ジョン・アンダーソン

若い頃、イエスのステージで歌う姿は、キリストかと思わせる神々しさでした。
上手い歌い手では無いのかもしれませんが、唯一無二のヴォーカリストです。
ソロ作もあるのですが、やはりイエスでの歌唱が最高です。

2.アノーニ(アントニー・ヘガティ)

天使かと思いました。きっと、天使です。
この声だけで泣けます。
ジュリアン・シュナーベルが撮った、ルー・リードの『ベルリン』ライブにバック・ボーカルとして参加していて、そこでも異彩を放っています。

3.ミルトン・ナシメント

『Travessia』と『Courage』『Milton』の3作品は家宝です。
『Travessia』のタイトル曲は『Courage』にも『Bridges』というタイトルで英語バージョンが入っているのですが、ポルトガル語で物悲し気に歌われる『Travessia』の方が好みです。
珍しいところでは、この曲をビヨークが歌っていて、これがまた素晴らしいのです。
CD化されていないのですが、Youtube で聴けます。ぜひ検索して聴いてください。

4.ポール・サイモン

ローリング・ストーン誌は好きそうだと思うのですが、なぜ選出されなかったのでしょう?
サイモン&ガーファンクルの頃はもちろん、ソロになってからの曲も素晴らしく傑作揃い。
渋谷系の方がパクりたくなるのも仕方ありません。

5.アニー・レノックス

彼女は違うかなぁ、と迷いました。
他にもエイミー・マンとか、エディ・リーダーとか、リッキー・リー・ジョーンズとかスザンヌ・ヴェガとか、各ジャンルに入れたい人がいるのですが、やっぱりアーティストとしてのスター性が強くて外せませんでした。

6.トレイシー・ソーン

これは本当に個人的なセレクトです。
歌のうまさや影響力では決してランキングに顔を出すアーティストでは無いと思うのですが、ある時期、この『遠い渚』をずっと聴いていたのです。
聴くべきアルバムは少なくて、コレとエブリシング・バット・ザ・ガールの数枚だけです。
この『遠い渚』はあまり出回っていないようなので、見つけたら迷わず買いましょう。

7.デヴィッド・シルビアン

妖しいメイクとファッションで日本でも人気だったバンド、ジャパンのヴォーカリストでした。
映画『戦場のメリークリスマス』で、主演がデヴィッド・ボウイだったにもかかわらず、テーマ曲を歌っていて驚いたのですが、これはピッタリでした。
バンドは途中から急激にアート寄りな作風に代わり、解散してソロになってからは、さらにその傾向が深まります。そしてバンドのデビュー時から現在まで、すべての時期においてクオリティの高い音楽を作り続けているのです。
ヴォーカリストのソロ作だと思って油断していると、全曲インストゥルメンタルのアルバムがあったりします。もう、歌う現代音楽家という感じです。
特別な声、芸術の才能、圧倒的な美貌と知性、人が望むものを全て持って地上に降りてきた神の子です。

8.ピーター・ガブリエル

偉大なヴォーカリストとして選出されないのは、何かの間違いではないかと思えます。
歌唱力、表現力などはもちろん、歌うことでアートを伝える伝道師としても孤高の域にいるアーティストでしょう。
ジェネシス時代もソロになってからも、最高のポテンシャルを提示し続けています。
ただ、声質は好き嫌いが分かれるかもしれません。
ヒット曲がたくさん入ってるこのアルバムの中でも、ケイト・ブッシュとデュエットした『Don’t Give UP』が白眉です。

9.チェスター・ベニントン

リンキン・パークのヴォーカルでした。
圧倒的な熱量で空間を切り裂くようにシャウトするヴォーカルは、上手く歌うだけが歌手では無いことを否応なく認めさせます。
激しい歌なのに、切なさに胸が締め付けられます。
ローリング・ストーン誌は選ばなそうですが、私は選びます。

10.ルーファス・ウェインライト

彼のような天才肌のアーティストは何年かごとに現れてはいますが、それでも彼を初めて知ったときは、すごい宝物を発見したような気持になりました。
そしてそれは今も変わらず、聴くたびに素晴らしい出会いに感謝したくなります。
どのアルバムも素晴らしいのですが、名演と評価の高い『Hallelujah』が入っているベスト盤をおススメしておきます。

こういうテーマを決めて、あれこれ考えるのは楽しいですね。
正解は無いですし、気分によっては別の選択になることもあるでしょう。

最後まで入れるかどうしようか迷ったのは、エルビス・コステロデイヴィッド・カヴァデールエリック・クラプトンマイケル・フランクスサム・スミスボズ・スキャッグスアンディ・ギブと、その周辺の方々でした。

「200人からトップ30を並び替える」をやったときは、女性ソウル・シンガーをたくさん上位に選出したのですが、今回は男性ヴォーカリストが多くなっています。

ローリング・ストーン誌が200人にも選ばなかったアーティストですが、気になって聴いてくれる方がいらっしゃったら嬉しいです。

時間はかかるものの、”ローリング・ストーン誌が選ぶアーティスト”に乗っかったブログは、他のテーマでもやってみようかな。。。

投稿:2023.2.13
編集:2023.10.28

Photo by panos sakalakis – unsplash

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