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『THE GLORIOUS DEAD.』 THE HEAVY

『ザ・グロリアスデッド。』 ザ・ヘヴィー 2012年

日本のリスナーがTHE HEAVYに注目したのは、小栗旬さんが桃太郎を演じたペプシ・コーラの新製品CMがきっかけだったのではないでしょうか。そのCMは映像もカッコ良かったのですが、音楽もパワフルで印象的でした。その曲が、このアルバムに入っている「Same Ol’」。もちろん、私も速攻でCDを買いました。

久しぶりに聴いて、やっぱり好きだなと感じます。ロック好きオヤジなら、これでウィスキーをボトル半分くらいいけるでしょう。部屋を暗くして、ボリュームは許される限りの大きさで、がっつり音と向き合ってみましょう。

1曲目から彼らの良いところが凝縮されたロック・チューンにガツンとやられます。
2曲目の軽快でグルービーなナンバーでこわばった身体をほぐして、3曲目は得意の重たいビートがカッコイイ曲。女性コーラスを加えて、グルーブ感も高まり、盛り上がります。
4曲目はこのバンドのソウルフルな面が出たナンバー。抑えたテンポで、しっかりロックしてます。
5曲目は展開に一息入れる、スローなラブ・ソング。ねっとりとしたリズムとタメのある演奏で、古いムード歌謡のようです。
そして6曲目は、例の「Same Ol’」。出だしのドラムから、気持ちを一気に持っていかれます。ライブでも盛り上がりそうなアンセムでしょう。
続いては、スピード感のあるガレージ・ロックかと思いきや、後半、癖のある展開へと変化。ギターのリフが効いてます。
アルバム後半は、彼らの好き勝手な自由さが発揮され、バラエティ豊かな曲が並び、最後の曲は、スロー・バラード。
お見事でした、という感じです。

個人的には、歪んだ音のエレキ・ギターとグルーヴ感のあるロック・チューンが好きなので、もっとエネルギッシュな曲が欲しいのですが、ザ・ヘヴィの中ではこのサード・アルバムは個性と楽曲のクオリティが上手くまとまった良盤だと思えます。

ただ、誤解かもしれませんが、ファースト・アルバムから各アルバムの作り方がどうも似ている感じがしています。
好きなバンドですし、すでにスタイルとして完成しているのだととらえれば、それで何の問題も無いのですが、こういう感じが続くならベスト盤を買えばいいじゃんか、という気持ちにもなってしまいます。

あと、個人的な好みで言えば、あまりソウル・ミュージック寄りになってしまうと、バンドとしての魅力が薄くなってしまうように感じます。
もっとロック・バンドであって欲しいし、ラウドでもスローでもいいので、名曲と言えるものを生み出して欲しい。
最後は、厳しいことを書いてしまいましたが、これも好きで期待しているからだと許してください。

投稿:2020.5.19
編集:2023.11.13

Photo by  Gabe Pierce – unsplash

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