- 1984年にリリースされたアルバムから、好みのものをピックアップ
- 1/4 1984年を代表するメジャーな名盤 北米 10
- 1.Prince – Purple Rain
- 2.Bruce Springsteen – Born in the U.S.A.
- 3.Van Halen – 1984
- 4.The Alan Parsons Project – Ammonia Avenue
- 5.The Cars – Heartbeat City
- 6.Bryan Adams – Reckless
- 7.Stevie Ray Vaughan and Double Trouble – Couldn’t Stand the Weather
- 8.REO Speedwagon – Wheels Are Turnin’
- 9.Sade – Diamond Life
- 10.Hall & Oates – Big Bam Boom
- これが選外?!
- Madonna – Like a Virgin
- Tina Turner – Private Dancer
- Daiana Ross Swept Away
- Chaka Khan – I Feel for You
- Sheila E. – The Glamorous Life
- Shannon ‐ Let the Music Play
- Various Artists Footloose(Soundtrack)
- Various Artists – Ghostbusters (Soundtrack)
- Chicago – 17
- Foreigner ‐ Agent Provocateur
- Toto – Isolation
- Survivor – Vital Signs
- The Bangles – All Over the Place
- The Go-Go’s – Talk Show
- Talking Heads – Stop Making Sense
- Lou Reed – New Sensations
- 38 Special – Tour de Force
- Lindsey Buckingham – Go Insane
- Billy Squier – Signs of Life
- INXS – The Swing
- The Replacements – Let It Be
- Frank Zappa – Thing-Fish
- Cameo – She’s Strange
- The Time – Ice Cream Castle
- New Edition – New Edition
- Run-D.M.C. – Run-D.M.C.
1984年にリリースされたアルバムから、好みのものをピックアップ
各カテゴリーにおける、個人的な重要度でセレクトしました。
昨年も同じテーマで書いたのですが、50作品は多すぎて自分でも読む気になれなかったので、今年40周年は40作品を4部構成で書いてゆこうと思います。
まず1部は北米を発信源とするメジャーな作品、続く2部はイギリス・欧州を発信源とするメジャーな作品、3部はポストパンク・ニューウェイブとアバンギャルド・アンビエント系の好きな作品、4部はプログレ、ヘビーメタルとジャズ、フュージョン系からのセレクトにしました。
ジャンル分けも選定も個人的な思い入れに基づくので、セールスなどのデータとは関係ありません。
それでも、同じような嗜好の方に届いたら嬉しいです。
*
リリース年は、主にSpotifyの記載をあてにしています。
シングルがヒットした年がアルバムのリリースと前後していたり、日本盤のリリース時期が違っていたり、Wikiの記載と違っているということもありますが、そういう時もSpotifyを優先しました。Spotifyが扱っていない作品については、Wikiやレコード・CDを確かめるようにしました。
順位は音楽の良さではなく、私の思い入れというか思いつきですので順不同です。
1/4 1984年を代表するメジャーな名盤 北米 10
1.Prince – Purple Rain
映画「パープル・レイン」は観ていませんが、このアルバムは何度も聴きました。
サントラでは無く、オリジナル・アルバムとして成立している名盤です。
ダンス・ミュージックの変態チックなアーティストだと斜めから見ていましたが、この作品でギタリストとしてのプリンスの凄さに気づき、アレンジャーとしてのプリンスに脱帽しました。(ベースの無いファンク・ナンバーなんて考えられませんでした。)
アルバムとしてはシングル・ヒットした「レッツ・ゴー・クレイジー」「ビートに抱かれて」「パープル・レイン」「ダイ4ユー」「テイク・ミー・ウィズU」が突出しているために、他の曲と差があることは否めませんが、革新的な名曲揃いのアルバムです。
好き嫌いがあったとしても、音楽好きなら聴かないでいるという選択肢はありません。
名盤です。
2002年の東京国際フォーラムのライブでは、ファンクラブ特典でリハーサルを観ることができました。飛行場から(?)さっと来て、数曲合わせただけのあっけないものでしたが、印象深い思い出です。
2.Bruce Springsteen – Born in the U.S.A.
1970年代末から「明日なき暴走」「ザ・リバー」「ビコーズ・ザ・ナイト」などの曲で既にファンになっていた人もいましたが、日本でブルース・スプリングスティーンを有名にしたのはこのアルバムだったことでしょう。
タイトル曲は、ベトナム帰還兵を歌った切実なものなのですが、キャッチーなフレーズのせいで愛国歌だと誤解されています。英語なのに、アメリカ人が誤解しているのには呆れますが・・・。
この曲に限らず、ブルース・スプリングスティーンの曲は、必ず歌詞を読むことをお勧めします。泣きます。
バンドとの相性も良く、クオリティの高いアルバムでした。
このアルバムから1年後に出るライブ盤は、自分の思いを音楽に乗せて歌うカッコ良さのひとつの完成形でしょう。
当時付き合っていた女性と渋谷パルコの通りを歩いていた時、彼女が突然「ボーン・インザ・ユーエスエー♪」と歌い出して、前にいた外国人に笑われたことを微笑ましく思い出しました。
3.Van Halen – 1984
衝撃的なデビュー・アルバムで世のギター・キッズを虜にしたヴァン・ヘイレンですが、その人気はあくまでロック好きなリスナーに限定されたものでした。
しかし、この6枚目のアルバムでヴァン・ヘイレンは世界中の音楽ファンから知られることとなります。
ポップな「ジャンプ」「パナマ」「ホット・フォー・ティチャー」が大ヒットして、MTVでもよく紹介されていました。
ボーカルのディヴッド・リー・ロスの魅力が最大限に発揮された作品と言えそうですが、彼はこのアルバムで一旦バンドを離れてしまいます。
幅広く受け入れられた評価の高いアルバムであり、オリジナル・メンバーでの最高到達点と言って差し支えない作品です。
ただ、私的には少々パーティー・ロックすぎでした。
4.The Alan Parsons Project – Ammonia Avenue
彼の作品は今でも良く聴くので、そんなに前の作品だという気がしていませんでした。
アラン・パーソンズの名前を有名にしたのは1970年代のビートルズやピンクフロイドのエンジニアとしてで、自身が音楽活動を始めたのも1976年の「怪奇と幻想の物語」からでした。
発表されたアルバムはどれもクオリティが高く、各アルバムに名曲が入っていました。
(私が絶命する時のBGMに選びたいという曲もあります。)
この「アンモニア・アヴェニュー」は、アラン・パーソンズ・プロジェクトとしての7作目。
彼の作品としては比較的に明るめで軽快な内容ながら、「シンズ・ザ・ラスト・グッバイ」「ドント・アンサーミー」「アンモニア・アヴニュー」などの名曲は流石の一言。
音楽好きな方ならご存じかとは思いますが、もしもまだ聴いたことが無いという方がいらっしゃったら、過去作を含めて是非お勧めしたいアーティストです。
5.The Cars – Heartbeat City
1970年代後半から活動していたバンドの出世作。
デビュー時からロック好きの間では評価されていたバンドでしたが、この5作目はポップさとニューウェイブ感のバランスが絶妙でした。
「ハロー・アゲイン」「マジック」「ドライヴ」「ユー・マイト・シング」は立て続けにヒットして、MTVで流れない日は無いほどでした。
この時代を象徴するような音楽的な個性を発揮していたアルバムでしょう。
6.Bryan Adams – Reckless
来日公演を観て「ソロで活動しているボーカリストは凄いな」と感心したのを覚えています。
この「レックレス」は、前作「カッツ・ライク・ア・ナイフ」以上に売れました。
中でも「ヘヴン」は名曲で日本でも大ヒットしましたが、個人的には「サマー・オブ ‘69」に今でも胸が熱くなります。というか、今、新たに沁みます。
7.Stevie Ray Vaughan and Double Trouble – Couldn’t Stand the Weather
ギター・キッズの度肝を抜いた「スキャットル・ブッティン」の高速リフで幕を開けるセカンド・アルバム。
前年にデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」にナイル・ロジャースと共にギターで参加して、すぐにバンド名義のアルバムを発表。
その評価が熱い段階で出されたこのアルバムで、一気にスターダムへのし上がりました。
こんなふうにギターが弾けたらいいなと思います。
8.REO Speedwagon – Wheels Are Turnin’
1970年代初めから活動していたベテラン実力派バンドが、80年代に入ったとたんにメロディック・ロックのムーブメントの中でヒット曲を出して大成功。
この11作目のアルバムでも、持ち味を発揮した美メロの「涙のフィーリング」が大ヒット。
派手さこそありませんが、本当に良いバンドだと思います。
9.Sade – Diamond Life
シャーデーのデビュー・アルバムで、「スムース・オペレーター」「ユア・ラブ・イズ・キング」がヒットして、アルバムも売れました。
こういうジャズっぽいポップスは、この時代のナイト・ライフにマッチしていました。
これが新人なのですから、アメリカの音楽界は凄いなと思ったものです。
10.Hall & Oates – Big Bam Boom
1970年代から活動して「サラ・スマイル」などの名曲を届けていたポップ・デュオで、ブルー・アイド・ソウル(白人のソウル・アーティスト)の代表格。
80年代初頭から大ヒットを連発させて、スター・アーティストとなった彼らですが、このアルバムの頃からは人気に陰りが見え始めます。
それでもこのアルバムからは「アウト・オブ・タッチ」が大ヒットしました。
70年代にも良い作品を出しているので言い方が難しいですが、やはり80年代を代表するアーティストです。
これが選外?!
ここから私的 北米10から漏れたアルバムですが、何故?これが?!というものばかりだったので、コメントもしています。
Madonna – Like a Virgin
マドンナを音楽史に輝くスーパースターとへと導いたセカンド・アルバム。
この時代を代表する作品であり、後年にもたらした影響なども含めて判断すれば選外にするのはどうかと迷ったものの、単純に音楽作品として気に入っていたかというとそうでもなかったので選外にしてしまいました。
アルバムとしては、ナイル・ロジャースのプロデュースが上手くいって、洗練された最先端のダンス・ミュージックを展開すると同時に、マドンナの魅力を見事に引き出しています。
ただ、この時点では白人の女性アイドルがセンセーショナルな歌詞を歌って踊るというコマーシャルな評価のされ方もあったと思います。
彼女が女性歌手のアイコンとなったのは、このアルバムをきかっけにスタートした“ヴァージン・ツアー”とMTVの影響でしょう。
そこで彼女は音楽だけで無く、本物のエンターテナーであることを証明して見せたのです。
デビュー直前、「流行通信」という日本のファッション雑誌が「マンハッタン特集」をしたときに、アメリカン・ドリームを夢見るストリートのアーティストとしてマドンナが写真だけ掲載されたことがありました。
あの時点で彼女をピック・アップした編集も凄いですが、まさかあの娘がこんなことになるなんて、と驚きます。
(ちなみに、その雑誌を今も取っておいているワタシも凄くないですか?)
Tina Turner – Private Dancer
1960-70年代に人気のあった大御所ソウル・シンガーくらいに思っていました。
しかし80年代以降はそのパワフルさでロック・ボーカリストとしての魅力も確立してゆきます。
このアルバムは、そうした活動への布石だったのかと思わせます。
タイトル曲の「プライベート・ダンサー」は、ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーが提供してジェフ・ベックがギターを弾いていますし、「ヘルプ」(ビートルズ)、「1984」(デヴィッド・ボウイ)、「フェン・アイ・ワズ・ヤング」(エリック・バードン&アニマルズ)のカバーも収録しています。
カバーで言えば、アル・グリーンの「レッツ・ステイ・トゥゲザー」も歌っていて、これはシングル・ヒットもしました。
ちょっとカバーが多いので、オリジナル・アルバムとしてはどうかなと思うところはありますが、「ファッツ・ラブ・ガッタ・ドゥ・ウィズ・イット」なども含めて、彼女の魅力が詰まったアルバムであることは間違いありません。
Daiana Ross Swept Away
シュープリームスとして人気を博したモータウン時代からソロに転向してからも可愛らしい歌声でリスナーを魅了し続けていたダイアナ・ロスですが、この頃になるとマドンナやシンディ・ローパーなどの歌って踊れる白人の新勢力の脅威にさらされます。
多くの黒人ボーカリストはバラードとディスコに活路を見いだしてゆくのですが、彼女もまたそうした路線で頑張っていました。
実際のところ、オリジナル・アルバムとしてはこれ以降を聴くことは無くなってしまいましたが、このアルバムは良い曲が多く、アーティストとしての衰えを感じるところはありません。
他界したマービン・ゲイに捧げた名曲「Missing You」は感涙ものですし、ダンス・チューンも見事な仕上がりです。
フリオ・イグレシアスとのデュエット「オール・オブ・ユー」やボブ・ディランのカバー「フォーエバー・ヤング」もセールスに貢献しそうです。
あえて難を言えば、ここ数作が同じテイストだったことでしょうか。
Chaka Khan – I Feel for You
モータウン系ともゴスペル系とも少し違う、パワフルなのに繊細な魅力を持つ女性ソウル歌手の代表作。
バック・ミュージシャンも、デヴィッド・フォスターやTOTOのメンバーなどAOR系の実力派がずらりと名を連ねています。
いかにも80年代初期のアレンジでお洒落度が高かったせいか、このアルバム・ジャケットは、当時、いろいろな店に飾られていました。
1970年代末にルーファス&チャカ「愛のてごたえ」をシングル盤で買って、ジャケットの写真も含めて気に入っていたのですが、それ以来、忘れていたので、ソロでのヒットは嬉しく思っていました。
プリンスの「フィール・フォー・ユー」のカバーは、本人のバージョンよりも、こちらの方が有名かもしれませんね。
Sheila E. – The Glamorous Life
多くの方がそうだと思うのですが、プリンスとの関係で知った女性パーカッショニストです。
パワフルでファンキーなところが魅力で、このアルバムでは歌のうまさも披露しています。
アルバム・タイトルの「グラマラス・ライフ」は日本でも大ヒットしました。
Shannon ‐ Let the Music Play
タイトル曲はヒットしました。
自分で買った記憶が無く思い入れも無いのですが、確かにちょっと流行りました。
でもこの曲に紐づく思い出がありません・・・。
Various Artists Footloose(Soundtrack)
自分から聴きに行くことは無くても、この時期、このアルバムの曲は嫌でも耳に入ってきました。
ここに曲名を並べるだけで文字数が多くなってしまうので止めておきますが、収録曲の全てがヒットしました。
改めて見ても凄いです。
アーティストのオリジナル・アルバムでは無いので、ランキングからは外しました。
それにしても、あまりにも思い出深いヒット曲が多いのは驚きです。
間違いなく1984年を代表するアルバムでした。
Various Artists – Ghostbusters (Soundtrack)
「フットルース」同様に大ヒットした映画のサントラです。
こちらもレイ・パーカーJrの主題歌は大ヒットして、他の曲ももれなくヒットしました。
こちらも1984年を代表するアルバムと言って良さそうに思います。
Chicago – 17
1960年代末から活動していたベテランの17作目。
ホーンセクションを含む編成で、ブラス・ロックなどとも呼ばれていました。
初期は攻めた演奏に迫力がありましたが、この頃になるとお洒落なAORっぽくなります。
この頃の最大の魅力はバンド・アンサンブルではなく、ピーター・セテラのボーカルでした。
(彼はこのアルバムでバンドを離れてしまい、ソロで大成功します。)
シカゴはどのアルバムもハズレがありませんが、逆に突出した1枚を選びにくく、ベスト盤がいちばんのお勧めになってしまいます。
このアルバムからは、「君こそすべて(You‘re the inspiration)」がヒットしたと思います。
平均点が高すぎて、評価が難しいバンドです。
Foreigner ‐ Agent Provocateur
1970年代末のデビューは強烈でした。
シングル・カットされた「コールド・アズ・アイス」のリフは印象的でしたし、アルバム全体も非常にハイ・クオリティでした。
アメリカのロックは、こうしたハイテクのメロディック・ロックが全盛期を迎えることになり、フォリナーはそのデビュー作でムーブメントを牽引する代表的なバンドになりました。
この「プロヴォカトゥール(煽動)」は彼らの5作目で、「アイ・ワナ・ノウ」などの大ヒットを含んでいます。
人気・実力ともにピークにあったフォリナーですが、私としてはロック・バンドとしての魅力はすでに失われていたように感じていました。
聴くならこれよりも前の4枚をお勧めします。
Toto – Isolation
1970年代末のデビューがセンセーショナルだったので、バンド名だけで加点してしまうほど好きなバンドでしたが、この頃には関心が薄れていました。
70年代のAOR作品で名前を見ないことは無いほど売れっ子のスタジオ・ミュージシャンが集まって作ったスーパ・バンドで、しかも音楽はハードロックだったのですから、デビューした時はワクワクしました。
そして、そのハイセンスな音作りにウットリしたわけです。
ただ、どうしても歴代のボーカルが気に入りません。
さらにTOTOのような音を欲しがる同業者が多くいたうえに、もともとスタジオ・ミュージシャですからバンド以外の仕事もせっせとこなしていたおかげで、この時代、TOTOっぽい音が溢れてしまったことも飽きがきた要因かもしれません。
作品としても、前4作には及ばない出来かと。
Survivor – Vital Signs
2年前に映画「ロッキー3」のテーマ曲「アイ・オブ・ザ・タイガー」がヒットしたバンドの5作目。
アルバムの冒頭から連続でシングル曲が続き、ポテンシャルの高さを示しています。
メロディック・ロックの教科書のようなバンドですが、なぜかフォリナー、ボストン、スティックスなどよりも格下感がぬぐえません。
あまりにも優等生で、特別な思いを抱きにくかったのかもしれません。
The Bangles – All Over the Place
スザンナ・ホフスが所属していたガールズ・バンドのデビュー・アルバム。
プリンスが注目して楽曲提供した「マニック・マンデー」は、次作に収録され、大ヒットしました。
私なんかでは,このアルバム時点でバンドのポテンシャルを感じることはできていませんでした。
でも、スザンナ・ホフスの歌は妙に馴染むモノを感じていました。
余談ですが、彼女がマシュー・スゥートと好きな曲を選んで作った「アンダー・ザ・カバー(1.2.3.)」は、選曲が良いうえにリラックスした演奏も心地よい大好きなアルバムです。
The Go-Go’s – Talk Show
当時の私は、こういうポップ作品には関心がありませんでした。
でもヒットしていたので耳には入ります。
偏見を持たずにアルバムを聴いてみれば、曲の作りはロック・バンド編成でギター・ソロまで入っていたりします。
青春パワーロック好きの私としては、これは認めないわけにはいきません。
変なバイアスを外して楽しみましょう。イケてます。
Talking Heads – Stop Making Sense
すでにアンダーグラウンドの奇才ではなく、メジャーなロック・バンドとなっていたトーキング・ヘッズの全盛期を収めたライブ。
こういう音楽が売れたのですから凄い時代だったとも言えます。
選外なのは、単にライブだったからです。
Lou Reed – New Sensations
ルー・リードがソロになって13作目。毎年のようにコンスタントに届けられる新作は嬉しいのですが、初期のような鬼気迫る異常さや都会ならではの無常さのようなものは薄れて、通常運転という感じ。
どこが悪いということはありませんが、突出して良いところもありません。
エレキ・ギターと歌を前面に出したシンプルなスタイルが定着してきた感じです。
安心して聴けますが、私が彼に期待していたのは安心・安全では無かったのです。
38 Special – Tour de Force
サザン・ロックの香りがするメロディック・ロックです。
ちょっと垢抜けない感じも逆に男らしくて清々しい、気持ちよいサウンドですが、こういうのは日本では受けないのでしょうね。
こういうバンドで生計が立てられたら、なんか幸せそう。
Lindsey Buckingham – Go Insane
フリートウッド・マックのギタリストとして知られているリンジー・バッキンガムですが、もともとスティーヴィー・ニックスとペアで音楽活動をしていましたので、彼らがフリートウッド・マックを取り込んだとも言えそうです。
それほど、彼らの加入はフリートウッド・マックにとって成功のカギとなりました。
このアルバムはバンドに在籍しながら制作されたソロ作。
面白味を感じる部分はありますが、ファンでないなら聴かなくても大丈夫。
Billy Squier – Signs of Life
前作がヒットしたので気にはしていたのですが、ロック色が強まってキャッチーさが弱まったような気がして、ほとんど聴きかえすことがありませんでした。
ただ、人気はあったと思うので、いちおうリストアップだけ。
INXS – The Swing
オーストラリアでニューウェイブっぽいロックをやっていたバンドが、ナイル・ロジャースを起用して「オリジナル・シン」というヒットを出したアルバム。
デヴィッド・ボウイみたいにファンクを取り入れて当ててやろうという意図が見え見えで、この時点ではまだ魅力不足でした。
ただ、この路線は上手くいって、その後、バンドは成長します。
The Replacements – Let It Be
粗削りさを純粋さだと勝手に解釈して好感を持っていたバンドです。
でも、結局はあまり聴くことが無いまま忘れてしまいました。
もっとちゃんと聴いてやれば良かったかもしれません。
Frank Zappa – Thing-Fish
リアル・タイムでは聴いていませんでした。
ロック・オペラ? ポエトリー・リーディング?
フランク・ザッパがやることですから、もう何を言っても仕方がないという感じです。
なんであれ、英語が分からないので面白さは伝わらず、音楽的な面白さは無く、半分しか聴かないで封印しました。
今でも聴き直す気にはなりません。
Cameo – She’s Strange
メロウなファンク・グルーブも80年代っぽさの一面でしょう。
カメオはそうしたジャンルのベテランで、このアルバムも彼らの10作品目。
今の耳には、ダサいのかカッコいいのか困惑してしまうサウンドですが、当時はイケてると感じていたのでした。
The Time – Ice Cream Castle
このあたりの人脈は詳しくないのですが、プリンスと親しく接していたそうです。
映画「パープル・レイン」などいろいろ使われがちな有名曲「ジャングル・ラブ」はこのアルバムに収録されています。
ファンクなのに少しロックなテイストが感じられて、なんだか逆に今っぽいです。
New Edition – New Edition
ニュー・エディションの若々しいデビュー・アルバム。
黒人のアイドル・グループという感じでしょうか。非常に好感度が高かったです。
彼らの作品では、翌年の「クリスマス・オール・オーバー・ザ・ワールド」が最高です。
Run-D.M.C. – Run-D.M.C.
2年後にエアロスミスの「ウォーク・ディス・ウェイ」のアレンジで音楽界を席巻するRUN-D.M.C.は、この年にデビューしていました。
彼らの登場と成功で、ラップというものが音楽の新しいジャンルとして成立したと言える記念碑的な作品で、このアルバムが音楽業界に与えた功績は多大なものがあります。
新しいものが生まれて育ってゆく凄さをリアル・タイムで感じていたものの、どこかこの音楽ジャンルは自分には向いていない感じもしていました。
それでもRUN-D.M.C.の曲には音楽的なものが多く感じられて、よく聴いていた方でした。
本来なら選外にはしてはいけなさそうな重要作です。
新旧の交代
40年前の1983年は、新しい音楽が生まれてパワーを持ちだして、新陳代謝が進んだ年でした。
ベテランはスタイルを変えるのか変えないのかを迫られ、アーティストと同等にプロデューサーの個性が音楽を形作るようになりました。
大量にレコードを購入して聴いていた時期ですが、後にCDで買い直したものも多くありました。
若い方にとっては生まれる前の作品でしょうが、この時代に新しく生まれた音楽は、今の時代にも大きな影響を与えていると思えます。
音楽好きな方なら、この時代の音楽は聴いておいて損は無いでしょう。
ここでは北米の音楽を取り上げましたが、実は私がメインで聴いていたのは欧州系のロックでした。
以下には北米以外のアルバムをまとめていますので、よろしければご覧ください。
投稿日 2024.1.15