『天地創造デザイン部』 原作:蛇増&鈴木ツタ
作画:たら子 2017年~
この世に存在する生物たちは、天地創造社という天界からの委託会社がデザインしていた、という設定で描かれるオモシロ生物学マンガ。
クライアントである神様の曖昧な発注に四苦八苦しながらも、知恵を絞り、実際に機能するデザインを落とし込んで生産につなげてゆくのが彼らの仕事。
無茶振りと制約の中で企画開発された生物は、実に摩訶不思議な生態をしていますが、その「ありえない」生物が実は存在するところが、この物語の肝です。
この物語を面白くしているのは、不思議な動物たちだけでなく、それを開発しているメンバーが個性的に描かれているところです。
実際、この天地創造社のデザイン部には、
メスはオスよりもずっと体が大きいの。
そしてオスは愛するメスに寄り添って……
噛みついて…… くっついて……
身体が溶けてメスと血管を共有して…
脳も溶けて…… やがて意識も無くなって…
そして精巣だけになって、メスの内臓になってしまうの♡
ロマンチックでしょうー!
なんていう可愛らしいデザイナーさんがいたりします。
そして、その生き物は実在します。
各物語の終わりに挟まれる、「本当にいる生き物図鑑」には驚愕させられます。
考えてみれば、「キリンの首はなぜ長い?」というシンプルな疑問から、「サメにノコギリとハンマーがいるのはなんで?」という冗談のような話しだとか、人間の常識では理解できない生命維持や生殖の仕組みなど、生命は不思議に満ちています。
本当に鵜呑みにして良いのかどうか心配になるようなものもありますが、そこも含めてマンガという表現で楽しく読ませてくれます。
はたして我々人間は神様のどんな発注で作られたのだろうか、なんて考えてみても面白いかもしれません。
アニメにもなりましたね。
良くできていましたが、想定内というところ。
ウチでは小学生の娘が面白がったので読ませていましたが、もともとの連載が「月刊モーニングTWO」という雑誌だったということで、表現は子供向けでは無いところもあります。
小さなお子様向けには、こういうのも出ているようです。
これは読んでませんが・・・。
投稿:2020.8.10
編集:2023.11.5
Photo by jaclou DL – pixabay
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