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『Six Degrees of Inner Turbulence』 DREAM THEATER

音楽

『シックス・ディグリーズ・オブ・インナー・タービュランス』 ドリーム・シアター 2002年

プログレッシブ・メタルという言葉は、ドリーム・シアターをカテゴライズするために生まれたのではないでしょうか。
まさにプログレッシブであり、メタルなロック。
演奏はノイジーで超絶技巧。
楽曲は複雑で長く、メロディは抒情的かつ攻撃的。
これは凄まじいアルバムです。

プログレに限らず、超絶技巧のミュージシャンはこれまでも存在していました。
(先日も古い映像を見ていて「アラン・ホールズワースって、この速いところはピッキングしてないんだ」と感心したりしていました。)
技巧と曲の良し悪しは同じでは無いということは誰もが同意されるところだと思いますが、それでもテクニックを見せつけられると、気の弱い私は「なんだかスゲー」と一段上に見てしまいます。

そんなわけなので、ドリーム・シアターは私にとって評価の基礎点が高いアーティストです。
このアルバムでも、2枚組、演奏時間約100分で、その技巧を余すところなく披露してくれています。

前作『Metroplis,Pt2』で自己のスタイルに確信を得た彼らは、創作意欲が高まったのでしょう。
迷い無く、溢れる感性のままに曲作りをしたように思えます。
アルバムで取り上げられたテーマは、依存症や心的外傷など生々しくシリアスですが、音楽はそこまで重苦しくはありません。

1枚目は、バラエティ感はあるものの、どちらかと言えばハードでヘビーな曲が並び、メタル・キッズも夢中になりそうな内容です。
しっかり向き合って聞いていると、ここまでで疲れます。

しかし彼らの溢れる創作意欲はここで終わりません。

2枚目は8つのパートからなく組曲で、1枚目よりもキーボードの美しい響きや、うっとりするようなメロディが味わえます。
特に、組曲の最後を飾るパート7からパート8は感動的です。
壮大なエンディングはやり過ぎで恥ずかしいと感じる方もいるかもしれませんが、この世界に浸ってこそです。
独り、爆音で聴きましょう。

投稿:2020.3.29  
修正:2023.10.28

Photo by Rosie Kerr – Unsplash

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