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『DAIAMOND HEAD』PHIL MANZANERA

音楽

『ダイアモンド・ヘッド』 フィル・マンザネラ 1975年

ロキシー・ミュージックのギタリスト、フィル・マンザネラのファースト・ソロ・アルバムです。
ブライアン・フェリー以外のバンド・メンバーや曲者の音楽仲間が集まって、想定外に素晴らしいものができました。

フィル・マンザネラのソロ活動というと、ブライアン・イーノと組んだ801の『801 Live』が印象的ですが、このソロ・アルバムが801を始動させるのきっかけになったのではないかと思えるほど、可能性を感じさせる出来なのです。
そしてこれは関係しているかどうか不明ですが、このアルバムが出た直後にロキシーミュージックは解散します。(すぐに再結成します。)

このアルバムを買ったのは、30歳を超えて、昔持っていたレコードをせっせとCDで買い直している時でした。
ロキシー・ミュージックを買い揃えながら、レコードで持っていなかったブライアン・イーノの初期のソロなどにも手を伸ばす中で、「これも聴いとかなきゃいけないかな」と思ったという程度の動機でした。

そこで調べてみると、メンバーが豪華です。
ロバート・ワイアットブライアン・イーノジョン・ウェットンエディ・ジョブソンという名前が並ぶのを見ただけで、どんな音楽が展開されるのか期待が高まります。
さらに、フィル・マンザネラロキシー・ミュージックに参加する前に在籍していたバンド、クワイエット・サンビル・マコーミックチャールズ・ヘイワードの名前もありました。
このふたりは、クワイエット・サンの後、マッチング・モウルディス・ヒートという要注意(?)バンドにそれぞれ参加します。恐るべし、クワイエット・サンです。
このメンバーを見て、購入決定でした。

実はフィル・マンザネラのギターに強い思い入れがあったわけではありません。
正直なところ、それほど重要なギタリストだと思ったことはありませんでした。
癖の強いロキシー・ミュージックにあっては、なかなか個性を主張するのは難しかったことでしょう。

しかしこのアルバムでは、控えめながら歌心のある演奏を披露してくれています。
そうは言っても、ギタリストのソロとは思えないほど、ギター・アルバムではありません。
多彩なアーティストにバランスよく仕事をさせた、多彩な音楽がポップに展開されます。
異国情緒のあるメロディやリズムは当時は新鮮だったのかもしれませんが、現代の耳では全く違和感無く聴くことができます。
それだけになんとなく聴き流してしまうと、特に印象に残らないアルバムにも感じられてしまいます。
でも、ボリュームを上げてしっかり演奏に耳を傾けると、印象は一変すると思います。
ギンギンに緊張感あふれるせめぎ合いをしているわけでは無いのですが、それぞれの楽器の音、アンサンブルなど、魅力的な展開に心を奪われます。
今も、2回、3回と聴き直すことで、さらに良さが感じられています。
ライブで観たいと思えました。

ロキシー・ミュージックのような艶やかさこそありませんが、今、改めて聴いてみても、非常に良質でツウ好みなアルバムです。
楽器演奏ができる人には、より良さが感じられるかもしれません。

投稿:2020.4.13 
編集:2023.10.27

Photo by Bill Anderson – Unsplash

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