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『Every Good Boy Deserves Favour』 The Moody Blues

音楽

『童夢』 ムーディ・ブルース 1971年

ムーディ・ブルースが、いわゆる5大プログレ・バンドに次いで名前が挙がるのは、このアルバムがあるからでしょう。
70年代の名盤に数えられる、完成度の高いアルバムです。

1曲目の『Procession』の入りは、物語の序章を強く感じさせるインパクトがあります。
期待感、爆上がりです。
2曲目にアップ・テンポなロック・チューンを持って来て視聴者の満足度を高めた後は、彼らの真骨頂である美しいメロディの曲が並ぶ構成になっています。
プログレを代表する1枚のように言われるアルバムですが、各曲は4分前後で長くも短くもありません。

難解なものを長々と緊張しながら聴くということは無く、穏やかに曲が進行してゆきます。
歌はシャウトせず穏やかなトーンで、演奏も新旧様々な楽器を巧みに織り交ぜて安心感があります。
こういう作りだと、今聴いても古さを感じないのですね。
ヨーロッパの田園的な空気感とサイケデリックな味付けが、良い感じでバンドの個性となっています。

最後の『My Song』は、大胆な展開があり、いわゆるプログレっぽさが強い曲です。
好き嫌いが分かれるかもしれませんが、この曲がアルバムの芸術性を高めていると感じます。

全ての曲がシングル・カットできそうなほど出来が良いことと、それにもかかわらずアルバムとしてのまとまり感が優れているので、これをムーディー・ブルースのベストに推すことに躊躇いはありません。ジャケットのアート・ワークも素晴らしくて、完璧ですしね。
改めて聴き直しましたが、やはり名盤です。

ただ、なんとなくですが、ムーディー・ブルースと言えばこの『童夢』しか紹介されていないと言っても良いくらい他の作品の評価を耳にしないのは気になります。
オヤジ・リスナーとしては、「ムーディー・ブルースは、このアルバムだけが突出して良いわけでは無いんだよ」ということを伝えておきたいと思うのです。
この『童夢』をきっかっけに関心を持っていただけたら、是非、デビューから70年代前半までの作品にも耳を傾けていただけたらと思います。

投稿:2023.3.5
編集:2023.10.28

Photo by josh-boot – unsplash

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