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『COVERDALE・PAGE』COVERDALE PAGE

音楽

『カヴァーデイル・ペイジ』 カヴァーデイル・ペイジ 1993年

長くは続かないだろうな。直観的に感じてしまいました。
でも、不安より期待値の方が上回りました。

ハードロック・ファンなら知らない人はいない、ディープ・パープルホワイト・スネイクのボーカリスト、デイヴィッド・カヴァーデイルと、レッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジが組んだ、泣く子も黙るスーパー・バンドです。
他のメンバーの影が薄くて、かわいそうです。

ジミー・ペイジとしては、フリーバッド・カンパニーで活躍した人気ボーカリスト、ポール・ロジャースと組んだザ・ファームがぱっとせずに解散した、その2年後の作品ということになります。
また、ロバート・プラントと思いがけずに結成したプロジェクトで、オリジナル・アルバムを出す5年前の作品でもあります。
いろいろな意見があるかもしれませんが、この二人にとって、この周辺10年くらいの中で考えれば、最も出来の良い作品だと思います。

音としては、ストレートなハード・ロックです。
レッド・ツェッペリンほどの癖は無く、全体的に明るく親しみやすい曲が並びます。
全体的な印象がレッド・ツェッペリンでは無いので、ところどころ聞こえるギターの響きやフレーズにジミーペイジらしさを発見すると嬉しくなります。
デイヴィッド・カヴァーデイルのボーカルは伸び伸びとしていて、申し分ありません。
曲の出来もクオリティが高く、どの曲もシングル・カットできそうです。
両方の魅力が融合しているとも言えますし、なんだかどっちつかずで不完全燃焼しているとも言えそうなのですが、うまく良いとこ取りをした良盤だと思います。

デイヴィッド・カヴァーデイルは、ロバート・プラントに似ているうえに、ジミーペイジを尊敬していそうなので、ジミー・ペイジにとっては居心地が良かったのではないかと思えるのですが、このプロジェクトはすぐに解散してしまいます。

以前の恋人と似たタイプの人と新しく付き合ってみたら、最初はうまくいったものの、そのことで逆に昔の恋人との仲を戻したくなってしまった、という感じでしょうか。

このプロジェクト解散後、ジミー・ペイジロバート・プラントとのプロジェクトを具体化させ、デイヴィッド・カヴァーデイルホワイト・スネイクを再結成します。
そして、そのどちらもうまくはいきません。

もったいない気はしますが、もともとそんなに長く続く気はしませんでしたから、仕方ありません。
このプロジェクトで作られた作品は良かったので、ジミー・ペイジはこのパターンで、いろいろなボーカリストとのコラボレーションを量産したら面白かったのではないか、と不謹慎なことを想像したりします。

ポール・ロジャース&ペイジ(ザ・ファームですが)
デイヴィッド・カヴァーデイル&ペイジ(これですね)
イアン・ギラン&ペイジ(ちょっと、想像できない)
サミー・ヘイガー&ペイジ(合わなそう)
エイミー・リー&ペイジ(エヴァネッセンスとは相性良さそう)
クリス・コーネル&ペイジ(サウンド・ガーデンは聴いてみたい)
とか・・・。
誰がベスト・マッチでしょう。
良い組み合わせを思いついたら、教えてください(笑)。

1993年の来日公演には行きました。
このバンドがライブをやったのは、この時の日本だけだったらしく、二人を生で見たのもこれが最後なので、貴重な体験でした。
30年も前のことですが、ギターの音がレスポールとは思えないカッチカチに硬かったような記憶があります。

以前は Spotifyでもアルバムを聴けたのですが、今開いたら無くなってしまいました。
(これだからCDで持っていないといけない気がしちゃうのですよ・・・。)
かわりに、このライブがあったのですが、なんか、全然良くありません。
なんでオリジナルを下げて、クオリティの悪いライブを公開しているのでしょう。
戻して欲しいです。

2023年11月21日発売で、アナログ・レコードが発売されるという情報がありました。

2枚組にして音質を高めているらしいですが、これだとコアなファンにしか届かないのではないかな。
若い人にも聴いて欲しい、王道のハードロックなのに・・・。



投稿:2020.5.7
編集:2023.10.29

Photo by Jim Reardan – Unsplash

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