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『English Settlement』 XTC

音楽

『イングリッシュ・セツルメント』 XTC 1982年

XTCの中で一般的に最高評価をされているのが、このアルバムではないでしょうか。
バンドの音楽性を自問自答して作り上げられた感じがする、丁寧に作られた作品です。

70年代末から80年代は、パンク・ムーブメントの後、その名の通り”ニュー・ウェイブ(新しい波)”が乱立する面白い時期でした。
XTCがそうした波の中から頭角を現して独自のポジションを手に入れるのが、この『English Settlement』です。

このアルバムは当時の勢いやセンスだけでなく凝った音作りがされていて、音楽制作への意欲がみなぎっているようです。
ここで手ごたえを感じたことが、ライブよりもスタジオ・ワークに関心が高まるきっかけになってしまったかもしれません。彼らはその後、ライブをしなくなってしまいます。(単にライブが嫌だったのかもしれませんが。)

それでも実際にこのアルバムは売れました。
前作『Black sea』の出来が良かったことから、XTCの新譜に対する期待が高まっていたことがポイントだったと思われます。
『English Settlement』のリリース時、日本でもこのアルバムは高評価されていたと思います。
デビュー時からの熱心なファンの中には、”勢いが無くなって大人しくなった”と感じた人もいたかもしれませんが、そんなことは言いにくいほど、音楽通の方々からは褒められていたような記憶があります。

さて、改めて聴いてみてですが、決して”大人しい”音楽ではありませんでした。
XTCのひねくれたポップ・センスと第三国の音楽は相性が良かったようで、中近東やアフリカっぽいリズムは上手く機能していますし、独特のギターやヴォーカルともマッチしています。
あまり聴き込んだ覚えが無かったのですが、『Senses Working Overtime』や『No Thugs in Our House』など、懐かしく感じる曲がいくつもあり、意外と印象に残っていたのだと再認識しました。
”大人しい”ではなく、今の耳でも楽しめる”大人のロック”になっています。

自分の中では過去の記憶より高評価になりました。

投稿:2023.4.26
編集:202310.27

Photo by don pinnock – unsplash

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