娘の詩音を想いながら選んだ10曲
詩音(しおん)という名前には、人に寄り添える優しさを持って欲しいとの思いを込めました。
若い頃の私は、様々な表現に関心を持っていて、大学では美術を学ぶ機会もありました。
そんな私が嬉しい時や悲しい時など、感情が大きく動くときにそばにあったのは、絵画や彫刻ではなく、音楽と言葉でした。
自分自身が強い主張をする人生でも、そうでない生き方でもかまわないので、キミも音や詩のように誰かの心に寄り添えるような存在でいてくれたらと思うのです。
そして、私にとっては、キミはすでにそうなってくれています。
詩音に私の好きなこの10曲を贈ります。(曲名:アーティスト名)
1.Ombra mai fu : Kathleen Battle
「オンブラ・マイ・フ」は、ヘンデルの作曲したアリアで、歌っているのはキャスリーン・バトルさんです。
この歌を歌っていた時代、黒人のオペラ歌手はまだ珍しい存在でした。
細身の彼女の声は圧力が弱いところがありましたが、繊細さや儚さがありました。
劇場では無く、スピーカーから再生される音楽を聴く上では、その表現力は強みになりました。
私の部屋のクローゼットに、キミの隠れ家を作っていたことがありました。
いつでも、(いつまでも)ここにいて欲しいと思っていました。
一緒に何かするわけでもなく、それぞれに狭いスペースを分け合って傍にいた時に、この歌の歌詞を思い出したりしていました。
Ombra mai fù
di vegetabile
cara ed amabile
soave più
厳しい日差しに晒されながら生きる日々にあって、キミとの時間は優しく愛おしく、心地よい木陰にいるようでした。
2.The Player : Jonathan & Charlotte
「ザ・プレイヤー」を歌っている二人は、イギリスのコンテスト番組で発掘されたジョナサン・アントワーヌさんとシャルロッテ・ジャコネッリさんです。
原曲よりも、こちらの方が素直な歌心を感じられて気に入っています。
Sognamo un mondo senza più violenza
Un mondo di giuztizia e di speranza
Ognuno dia la mano al suo vicino
Simbolo de pace e di fraternità
キミが生きてい行く未来が、暴力の無い世界であるように。
人の道に正しく、希望に溢れ、誰もが皆に救いの手を差し出すような世界で、キミもまたそうであるように祈っています。
3.Allelujah : Fairground Attraction
フェアグラウンド・アトラクションの名盤「First Kiss」から。
But your smile is a prayer that prays for love
And your heart is a kite that longs to fly
Allelujah here I am
Let's cut the strings tonight
キミもいつか思いを寄せる人と出会って、私のもとから飛び立ってゆくことでしょう。
若い頃の恋をする心は、歳をとってからも大切な思い出になります。
また人を好きになることで芽生えるのは、必ずしも良い感情ばかりではありません。
どうか純粋で優しい心で人を好きになってください。
4.群青 : YOASOBI
私の学生時代の思い出と重なる歌です。
私の人生はそんなに誇れるものではありませんでしたが、キミと出会えたことで無価値では無くなりました。
この歌の歌詞に心から共感できるような人生を歩んで欲しいと思います。
5.窓の中から : BUMO OF CHICKEN
飄々とした態度でいながら人の見ていないところで努力ができる、そんな芯の強さを持つキミですが、その芯はまだ細く脆くも見えます。
今はいろいろと我慢していることも多いでしょうが、もうすぐ始まる新しい人生で、キミの“はじめての唄”を見つけられるように応援しています。
6.I’ll Stand By You : Pretenders
プリテンダーズというロック・バンドの曲です。
Stand by me ではなくて、Stand By You です。
最近は顔を合わせる時間が無くなって、たまに食卓で一緒になっても話すことがみつからず、心の距離まで離れてしまいました。
When the night falls on you, baby You're feeling all alone You won't be on your own I'll stand by you
今がそうだと言うのではなく、キミが生まれた時から変わらずに思っています。
7.The Rose : Bette Midler
これは私への歌でもあります。
キミは私の人生でわずかながらに手に入れた愛の“花の種”です。
Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun's love
In the spring becomes the rose
愛は幸運や強さだけに宿るものでは無いと教えてくれます。
8.Both sides Now : Emillia Jones
原曲はジョニ・ミッチェルですが、映画「コーダ あいのうた」の中で歌われたエミリア・ジョーンズさんのバージョンが気に入っています。
I've looked at clouds from both sides now From up and down And still somehow It's cloud's illusions I recall I really don't know clouds at all
人生にはいろいろな面があり、賢いキミには上も下も右も左も表も裏も見えていることでしょう。
そして、分からないことがあるのだということも分かっているでしょう。
それは悪いことではありません。
でも、確かなこともあります。
9.Daddy’s Little Girls : Nick Edwards
原曲はアーニー・ホルターですが、ニック・エドワーズの素朴な歌い方も良いのです。
双子のお父さんなので、原曲では Girl のところが、 Girls と複数形になっています。
Even though, I know these moments won't last forever
To me, you'll always be To me, you'll always be daddy's little girl
この気持ちは確かなことです。
10.あのね : あいみょん
よく私の腕の中で眠っていたのに、中学生になると抱きしめようとすると背中をむけられるようになり、いつしかそういうこともしなくなりました。
たとえ後ろからだったとしても、もっと話したり抱きしめたりしていればよかった。
Spotifyにプレイリストを公開していますが、誰にも伝えていないので、きっと気づかれることは無いままでしょう。
今後、何かが変われば、曲を入れ替えたりするかもしれません。
実はもうひとり娘がおります。
投稿:2023.12.24
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