『閃光』 アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ 1989年
「ウチのオカンが、昔聴いてたバンドの名前を忘れたらしいねん。」
『そんなら、一緒に考えたげるがな。なんかヒントは無いんかいな。』
「それがな、どうやらボーカルがジョン・アンダーソンでギターがスティーブ・ハウらしいねん。」
『そりゃ、イエスやがな。そんな、ジョンとハウが揃ったら、それはもうイエスしかあらへんがな。』
「いや、それがな、ベースはトニー・レビンらしいねん。」
『そんならイエスちゃうなー。イエスには、クリス・スクワイヤっていう凄いベーシストがおんねん。そしたらイエスちゃうやんか。』
「それでもな、ドラムはビル・ブルーフォードで、キーボードはリック・ウェイクマンらしいねん。」
『そりゃ、イエスで間違いないやんか。こんなメンバーでバンド組めるゆうたらイエスしか考えられへんよ。』
「ただな、この時期、イエスは別に活動しとったらしいんよ。」
『何を言うてんの。そしたらイエスちゃうやんか。同じ時期にイエスというバンドが別々に活動するなんてありえんがな。そしたらイエスちゃうやんか。もう少しなんか言うてなかった?』
「それがな、そのバンドはライブで『危機』とか演奏するやて。」
『もう、それはイエスで決まりやがな。あんな難しい曲をライブで演奏できるのはイエスしかありえんがな。もうイエスで決まりや。』
「でもオカンはイエスや無い言うんや。」
『じゃあイエスちゃうがな。俺がイエス、イエス言うとるあいだ、どう思っとったん。』
「申し訳ない。んで、オトンがいうにはな、もうバンドとしてのまとまりなんか無いんちゃうかて。」
『そんならもう、名前並べてアンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウでええやんか。もうええわ。ありがとうございましたー。』
確かに聞いたことのない新しい名前を付けるより、ブランドとして認知されている名前の方が高く売りやすいですね。
お笑いなら、宮下草薙とか華丸大吉、いや、格から言えばやすし・きよし みたいな感じでしょうか。
さんざんふざけておいてアレなのですが、すごく良いアルバムです。
メンバー間のゴタゴタが複雑で、バンドとしてもこのアルバムとライブの2作しか残さなかったせいなのか、どうしても楽曲に関して語られることが少ないようです。ただ、出来はいいんです。
個人的には、せっかくのこのメンバーですから、ビル・ブルーフォードやトレバー・ラビンの個性を出して、もっとテクニカルで自由奔放なものを作り上げられれば面白かったのではないかと思ったりしてしまいますが、ジョン・アンダーソンが歌うと、どうしてもイエスっぽくなってしまってしまいますから仕方ないですね。
長くなったので各楽曲についてはコメントしませんが、シンプルに言って、これは良いです。
80-90年代のイエスを何枚も聴くなら、こちらの方がお勧めできます。
この後、分裂した2つのイエス(もうひとつは「西海岸イエス(YesWest)」とか「90125イエス」と呼ばれていたりします)は合体して、そしてまたすぐに分裂するのですが、イエス家の本流はこちらにあると私は思うのです。
知らんけど。
すごいのあった。
89年の北米公演映像&音源を収録したボックスセットに90年の来日公演を収録した日本のみのボーナスディスク2枚が付属した限定CD+DVD8枚組BOX。欲しいけど。。。
投稿:2020.3.28
修正: 2023.10.27
Photo by DeeDee51 – unsplash
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