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『♡』BEN FOLDS FIVE

音楽

『♡』 ベン・フォールズ・ファイブ 1995年

リーダーは、ピアノとボーカルを担当する、ベン・フォールズ
それでバンド名はベン・フォールズ・ファイブ
内山田洋とクールファイブみたいですが、バンドは5人ではなく3人でした。
なんで、こういう名前にしたんでしょう?
ギター不在の、ピアノ、ベース、ドラムのトリオ編成で、エネルギッシュなロックを展開するのが特徴のバンドで話題になりました。
しかし活動期間は5年ほどで、スタジオ・アルバムは4枚しか残してくれませんでした。
(その後、2012年に再結成してアルバム制作もしていました。)

日本でヒットした要因は、キムタク主演で大人気となったドラマ「ロングバケーション」の中で使用されたことがきっかけだとか、小山田圭吾をはじめとする音楽ツウが推薦したからだとか、朝の情報番組で紹介されたのが大きかったとか、いろいろあるようですが、おそらくそれらすべてが上手くいったのでしょう。
CDの帯には「ニルヴァーナ・ミーツ・ビリー・ジョエル」のコピーが踊ります。売る気満々です。

そして実際に聴いてみて、その見事な出来に圧倒されました。
これを聴いたらやっぱり、「ベン・フォールズ・ファイブって知ってる?!」って人に言いたくなります。

打楽器のように鍵盤を叩きまくる1曲目から、リリカルなイントロが美しい2曲目へ。
そしてそれ以降も曲は様々に色を変えて、全12曲、約45分がテンポよく進行し、音楽の魔法に包まれる最高の時間を堪能させてくれます。
いつの時代に聴いても決して色あせない、見事なエンターテインメント。
「金払わせろ」という感じです。

このバンドが長く活動できなかったのは残念です。
曲作りのセンスは素晴らしいですし、演奏も申し分ありません。
後のアルバムも、全部(本当に全部)、素晴らしい出来なのです。
あともう少しだけ、唯一無二のヒット曲とかスタンダード・ナンバーがあれば、と思ってしまいます。
ピアノをメインとしたトリオ編成であることがこのバンドの最大の強みではあるのですが、そこへのこだわりが最大の弱点にもなっていたのかもしれません。
一定の支持者を獲得して以降、ファンが拡大しなかったのです。

しかし、このファースト・アルバムは、そんな未来のことは知る由もなく、クリエイティビティとエネルギーに満ちています。
自由で、楽しくて、美しくて、踊れて、泣けて、なんでもアリの良盤です。

ベン・フォールズのようにピアノが弾けて、ブライアン・セッツァーのようにギターが弾けたら、どんなに楽しいだろうと思ってしまいます。



投稿:2020.4.28 
編集:2023.10.27

Photo by Andrik Langfield – Unsplash

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