- 1984年にリリースされたアルバムから、改めての絞り込み
- 今の世代にも聴いて欲しい アルバム10(1984年作品)
- 1.David Sylvian – Brilliant Tree
- 2.Cocteau Twins – Treasure
- 3.Univers Zero – Uzed
- 4.The Smiths – The Smiths
- 5.The Style Council – Café Bleu
- 6.The Durutti Column – Without Mercy
- 7.The Art of Noise – Who’s Afraid of the Art of Noise?
- 8.Frankie Goes to Hollywood – Welcome to the Pleasuredome
- 9.The Waterboys – A Pagon Place
- 10.Prince – Purple Rain
1984年にリリースされたアルバムから、改めての絞り込み
これまで何度かセレクションもののコラムを書いてきましたが、網羅的になっていてセレクトできてないじゃないか、と思うところがあったので、改めて厳選版を作ってみました。
これまでのセレクト基準は、ヒットしたかどうかでは無く、自分の思い入れの強さでした。
ただそれだけだと、どうしても絞り込みが難しいので、今回は「現代の音楽好きな若い世代に聴いて欲しい作品」という基準を設けました。
私が好きなものの中から、今でも聴く価値があると思えるもの、10作品を紹介します。
今の世代にも聴いて欲しい アルバム10(1984年作品)
1.David Sylvian – Brilliant Tree
ジャパンを解散させた後、デヴィッド・シルビアンは芸術的な感性をさらに自由にしてソロ活動を始めます。
参加したアーティストは、坂本龍一をはじめ、ホルガー・シューカイ、ジョン・ハッセルなど渋すぎる人選。
楽曲は歌もので構成されていて聴きやすく、何よりも選ばれた音色や間の取り方などのセンスが光ります。
ロックと現代音楽をつなぐ新しい音楽ジャンルを作り上げたと言える、時代を超えた名盤。
2.Cocteau Twins – Treasure
4ADから出たコクトー・ツィンズのサード・アルバム。
美しく耽美的でありながら、シューゲイザーのような攻撃性も内に秘めた幻想的な音楽です。
ヒット・チャートに名を連ねたりすることは無かったでしょうが、音楽の歴史的にも重要な作品でしょう。
3.Univers Zero – Uzed
ベルギーのチェンバー・ロック(管弦楽を融合させたロック)の代表格、ユニヴェル・ゼロの4作目。
ニューウェイブのシンセ・サウンドが巷を賑わせている裏で、アコースティックな編成ながら、これほどまでに凶悪で挑戦的なロックがあったということを知って欲しいです。
4.The Smiths – The Smiths
その後の音楽シーンに与えた影響の大きさを考えると意外なほど活動期間は短く、アルバムは5枚しか残さなかったザ・スミスのファースト・アルバム。
音楽は攻撃的では無く、耳馴染みが良くメロディの美しいポップスです。
ジョニー・マーのギターにモリッシーの歌声とシニカルな歌詞が乗ることで心に残る名曲が生まれたのです。
5.The Style Council – Café Bleu
ポール・ウェラーがザ・ジャムを解散させて新たに取り組んだのがスタイル・カウンシルでした。
モッズ・スタイルからソウルやジャズへの大胆なイメージ・チェンジには驚きましたが、その粋でスタイリッシュな音楽は最高でした。
最先端争いをしていた時代にあって、過去を振り返ることで新たな価値を生み出した傑作です。
6.The Durutti Column – Without Mercy
メジャーな音楽シーンでは活躍しなかったかもしれませんが、この時代にドゥルッティ・コラムを聴いてハマった人にとっては人生で重要な一枚になっていることでしょう。
ミニマルでありながら抒情性を湛えるサウンドはどこまでも美しく響き、声高に何かを主張する音楽よりも深く人の心に刻み込まれます。
7.The Art of Noise – Who’s Afraid of the Art of Noise?
アート・オブ・ノイズのキー・パーソンは、トレバー・ホーン。
マルコム・マクラーレンやイエスのプロデュースで試みた最新の電子楽器や録音・編集技術を、さらに自らのバンドで推し進めた作品になっています。
当時最先端であったが故に今聴くと古臭く感じますが、これがこの時代のサウンドの極北でした。
今となっては誰もが容易にできるようになったDTMの発達は、彼らが商業的に成功したことと無縁ではないはず。
8.Frankie Goes to Hollywood – Welcome to the Pleasuredome
トレバー・ホーンのZZTレーベルからデビューした、世界最大の一発屋。
音楽の3要素は“メロディ・リズム・ハーモニー”と言われますが、彼らの魅力はそれら以上に“音色”だったように思います。響いている音自体にエネルギーが満ちていて、音が時間と空間を支配しているような気にさせられたのです。
今の音楽に慣れた耳にとっては、そこまでの衝撃度は感じられないかもしれませんが、40年前にはショックでした。
9.The Waterboys – A Pagon Place
前年のデビューに続く2作目にして、傑作。
イギリス北部のフォーク、カントリーがベースになっている無骨なロックで、ニューウェイブな時代には合っていないようにも感じられましたが、本質的な強さは揺るぎません。
10.Prince – Purple Rain
最後は迷いましたが、これは外せませんでした。
映画のサントラでもあり、オリジナル・アルバムとしても成立している名盤です。
この作品でギタリストとしてのプリンスの凄さに気づき、アレンジャーとしてのプリンスに脱帽しました。
好き嫌いがあったとしても、音楽好きなら聴かないでいるという選択肢はありません。
マドンナもブルース・スプリングスティーンも、ヴァン・ヘイレンもU2もワムも選外になりましたが、これが私の選ぶ1984年リリースの重要作品TOP10です。
改めて見てみると、北米系はプリンスしか残りませんでした。
アランパーソンズ・プロジェクトやマイルス・デイビスは好きな作品だったので残したかったのですが仕方ありません。
アレが入ってないじゃんか、とか選外になった候補が気になった方は、どうかこちらから確認してみてください。
投稿日 2024.2.6
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