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『Walking into Clarksdale』Jimmy Page Robert Plant

音楽

『ウォーキング・イントゥ・クラークスデイル』 ジミー・ペイジ ロバート・プラント 1998年

MTVの企画で、「NO QUARTER」というライブを発表した二人が、その後、なんとなく歩み寄ってできたアルバムです。
前のアルバム・ジャケットが現在の二人の写真だったのに対して、この「Walking into Clarksdale」では、天使の羽を身にまとった少年が二人映っています。
これは、レッド・ツェッペリンとは別の、純粋に二人の音楽を生み出せたという意図なのでしょうか。
「NO QUARTER」のレビューで、「もう過去のZEPだけ聴いていればいい」というようなことを書いてしまったので、これを後悔させられるとしたら嬉しいのですが・・・。
実はすっかり記憶に無くなっていたので、改めてCDをかけてみました。

1曲目、アコースティックな入りからボーカルが加わり、曲の盛り上がりに向けて、エレキ・ギター、ストリングスが展開されてゆく流れは、まさにレッド・ツェッペリンのようです。
ここでは、まだボーカルもギターも抑え気味です。
2曲目は静かで落ち着いたナンバーかと思いきや、後半でポジティブなロックに変化します。エレキ・ギターの音はカリカリと硬く粒だっています。
3曲目は、少しシリアスなギター・サウンドでスタート。中間部のストリングスが効いています。

これはなかなか侮れません。歌も演奏も悪くありませんし、曲が良いです。
もっとギンギンにロックしてくれてたらと思ってしまいますが、まあ、大人の貫禄というやつでしょうか。
全12曲、1時間というボリュウムです。

ただ、もちろんどの曲も平均以上の出来だとは思うものの、厳しい見方をすれば、レッド・ツェッペリンのシングルB面レベルです。
このレベルのものを制作してもファンは満足しなかったでしょうし、おそらくは本人たちも、新しいクリエイティビティを刺激されたということは無かったのではないかと思います。
奇跡的な化学反応は起こりませんでした。

このユニットを継続することに意味はあったように思えなくもありませんが、結局はこれ1枚で再び二人は袂を分かちます。

レッド・ツェッペリン解散後に過去を否定するかのような活動を行った二人にしては、非常にレッド・ツェッペリンらしいアルバムとも言えそうです。

確かにレッド・ツェッペリンにはこういう面があったとは思うものの、すっかり魔法が解けてしまったようで、出来の良さは評価するものの、心が魅かれることはありませんでした。



投稿:2020.5.6 
編集:2023.10.29

Photo by  Ralphs Fotos  – pixabay

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