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『GREAT VENGEANCE AND FURIOUS FIAR』 THE HEAVY

音楽

『グレート・ヴェンジアンス・アンド・フューリアス・ファイア』 ザ・ヘヴィー 2007年

ロックというのはとても柔軟で浸透力のある音楽で、さまざまな音楽と混ざり合ってもロックであり続けられるのが大きな魅力的だと思います。
何か異分子が入り込んだときに、こんなのはクラシックじゃないとか、こんな音はフォークじゃないというような排他的な意識にならずに、こういうのもアリなんだー、とキャパシティを広げてしまえる音楽なのです。
このテーマは面白そうなので、またどこかで書くとして、今回紹介するのは、ロックの中にソウルを感じるバンド、ザ・ヘヴィーです。

CDの解説には「まるでカーティス・メイフィールドレッド・ツェッペリンがセッションしたかのよう」とありますが、まさに言い得ている感じがします。
バンドの魅力は、その名の通りヘヴィなサウンドとブラック・ミュージックを思わせるボーカルにあり、とても新人バンドとは思えない渋いロックを聴かせてくれます。

1曲目は、まず自己紹介的にファンキーで勢いのあるナンバー。これで、このバンドの特徴を感じることができます。グルーヴ感のあるリフに、ブラッキーな高音のボーカルが絡みつくと、自然に体が動いてきます。
2曲目以降は、彼らの多彩さを示すように、様々な曲調のナンバーを散りばめ、飽きさせません。
全10曲に日本盤はボーナストラック2曲付きで、約40分です。

古いファンクやソウルの影響を感じさせるところが私のようなオヤジ世代には嬉しかったりするわけですが、はたして若いリスナーにとってはどうでしょう。
こうした曲調やサウンドは魅力的だと思うものの、2000年代のバンドとしての新鮮さや新規性が感じられないと、ファンは限定的になってしまうかもしれません。
内容が良いだけに、余計な新規性を入れない方が好きでいられるような気もするので悩ましいところですが、どうしてもこのバンドでないとダメだという強みがもっと発揮されたら一皮むけるのではないかと期待してしまいます。

それにしても、いいバンドです。
いやらしい話しですが、こういうバンドを知ってると、ちょっと通ぶれる感じがします。
サブスクで聴くだけではなくて、CDを所有しておきたい気にさせられるバンドです。

投稿:2020.5.17
編集:2023.11.13

Photo by  Drew Beamer – unsplash

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