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「Guitar magazin」の<偉大なギター名盤>企画に便乗してみました

音楽

史上最も”偉大な”ギター・アルバムとは!? の企画が面白かった

音楽好きではありますが、楽器演奏はできないので「Guiter Magazine」は買ったことがありませんでした。
ただ、2024年2月号の「偉大なロック名盤100」の企画が気になって購入してみたところ、なかなか面白く読むことができました。

選考はギタリスト460人の投票によってなされたということで、ヒットした有名作品だけでなく、通なセレクトも見られました。
名盤ばかりが選ばれているというのに、聴いたことのない作品もけっこうあって、勉強にもなりました。

ギタリスト460人を選んだ段階で、どんなジャンルや年代からの作品が多くなるかはコントロールできてしまいますし、「偉大」の定義も曖昧です。
でも、そういう判断基準に個性が入るところが面白さでもあるので、ここに目くじらを立てて異論を挟んだりするのは野暮というものでしょう。

面白い企画で、読んでいて楽しかったので、便乗して「私ならどうかな」と思ったことを書いてみようと思います。

ギターの素晴らしい作品は山ほどあって、優劣を付けるどころかセレクトするのも難しいので、このタイトルに沿った選定に加えて、こんな基準を設けてみました。

  • ギターが主役の作品であること。楽曲の中でギターが良い仕事をしているのではなく、あくまでギターが前面でちゃんと主張しているもの。
  • ギターの奏法や音色、楽器、音楽表現などに革新をもたらし、後進に影響を与えた作品であること。
  • これを聴いて、ギターを弾きたくなる、または諦めたくなる程の凄さがある作品。
  • ある程度以上、有名な作品。

さて、、、実際に選曲を始めてみたら、やっぱり選びきれなくて困りました。

キリが無いので、今回は「Guiter Magazine」の名盤100に選ばれたものの中から10作品と、なぜか選ばれていなかった10作品というセレクトにまとめてみました。

まずは、100作品に選ばれていたものから。

「Guiter Magazine」の「偉大なギター名盤100」から選ぶ、私ならこれらを推すTOP10

1.Jimi Hendrix:Are You Experienced

雑誌と同じですが、これはもう仕方ありません。
彼がエレキギターに革命を起こして半世紀以上経ちますが、その歴史も含めて偉大さは揺るぎようがありません。


2.Van Halen:Van Halen

革新的であったかと言われれば、音楽も奏法も既存のラインにあるものでしたが、ヴァン・へイレンによって、ロック・ギターの水準が急激に引き上げられました。
このアルバム以前と以降という変化は間違いなくありました。


3.Jeff Becck:Blow by Blow

ジェフ・ベックのアルバムで一番好きなのは、次作の「Wired」なのですが、そちらはヤン・ハマーのキーボードが頑張りすぎているので、こちらです。
ジャズ寄りになりすぎていない、ロックなプレイが堪能できます。


4.Stive vai:Pssion And Warfare

早弾き、タッピング、アーミングなど、新しいギター奏法を完全にマスターしたスティーブ・ヴァイの登場は、新世代を感じさせました。
ソロ以前から注目されていましたが、この作品は彼の強みが見事に発揮されています。


5.Guthrie Govan:Erotic Cakes

ガスリー・ゴーヴァンは、さらに新世代のテクニカルなギタリスト。
個人名義での作品は少ないですが、音楽の幅は広く、器用で、センスもあって、言うこと無し。
あとは、名刺代わりになるような名曲を作れれば、というところでしょうか。

ポール・ギルバートやヌーノ・ベッテンコート、マイケル・シェンカー、ランディ・ローズ、イングウェイ・マルムスティーン、ゲイリー・ムーア、ジョン・ペトルーシ、トム・モレノ、ジョン・フルシアンテ、スラッシュなどなどを押しのけて、ランクインです。


6.Allman Brothers Band:At Fillmore East

バンドとしての魅力を最大限に引き出しながら、デュアン・オールマンとディッキー・ベッツがギターを弾きまくる、最高のライブ・アルバムであり、まさにギター・アルバム。


7.John Mayall & the Blues Breakers:Blues Breakers with Eric Clapton

ヤードバーズやクリーム、デレク&ドミノスよりも、なんならソロ作よりも、ここでのエリック・クラプトンがカッコイイと思うのです。


8.Al Di Meola, John McLaughlin, Paco de Lucía:Friday Night in San Francisco

アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアというスーパー・ギタリストのライブなのですが、3人のアンサンブルを楽しむというよりは、お互いに刺激を得た各自の熱演が凄いアルバムです。


このあたりからは、かなり迷います。
どれも落とせない名盤がまだたくさんあります。
もう、こうなったら自分の好みで振るいにかけるしかありません。


9.My bloody valentine:Loveless

私の大好きなアルバムですが、ギターの雑誌で上位に入っていて逆に驚きました。
リフやソロのカッコ良さでも、ハイテクでもセンス系でも無く、音響という面でギター・サウンドの新たな領域を提示した、シューゲイザーの代表作です。


10.Pink Floyd:Wish You Were Here

ギター・アルバムなのか、という点で迷いました。
でも、弾きまくらずに音空間をつくれるギターは、デヴィッド・ギルモア独自のものだと思えます。
このアルバムは、その特徴が顕著で、個人的にも好きなアルバムなので選びました。
ピンク・フロイドは、「アニマルズ」「ザ・ウォール」で聴けるギターも良いです。


次点.Frank Zappa:Shut Up ‘n Play Yer Guitar

フランク・ザッパは選出しないといけないと思うのですが、個人的に好きかと言われると、そこまで推せなかったので次点にしてしまいました。
多作で、出来や作風も様々ですが、これは間違いなく・ギター・アルバムです。


続いて、雑誌の中で何故かピックアップされていない名盤を選ばせていただきました。
アーティストは同じなのに、推すアルバムが違っていたためにこちらにランクインしているというものもあります。


「Guiter Magazine」の「偉大なギター名盤100」は選ばなかったけれど、私ならこれらを推すTOP10

1.Allan Holdsworth:I.O.U.

世代的には、ヴァン・ヘイレンよりも10年ほど先輩で、ジミ・ヘンドリックスより4年ほど若い技巧派ギタリストです。
現代のギタリストの多くは、ジミ・ヘンドリックスよりもアラン・ホールズワースが開いた地平を歩んでいるように感じられるほど、今また評価されて良い重要なアーティストであり名作だと思います。



2.Led Zeppelin :The Song Remains the Same

ツェッペリンは間違いなく「偉大なギター名盤」をいくつも残しましたので、雑誌では票が割れたように思えます。
でも、私が選ぶならこの初期のライブです。
鬼気迫るギター・ロックの最高到達点のひとつでしょう。


3.Deep Purple:Live in Japan

リッチー・ブラックモアは選ばれるべきギタリストだと思うのですが、いざ選ぼうと思うと、ディープ・パープルでもレインボーでも他のメンバーの個性が強く出ていて、今回の選定基準からは上位にしにくく感じました。
このライブも同様ではあるのですが、各プレーヤーの激しいぶつかり合いの中に、それらを凌駕するリッチーの狂気が感じられるギター・アルバムとなっています。


4.Yes:Yessongs

イエスの作品は楽曲全体で評価されるので、どうしてもギター・アルバムとして位置付けるのは難しいのですが、このライブを聴いていただければ、スティーブ・ハウのギターがバンドの要であることが分かると思います。


5.King Crimson :USA

ロバート・フィリップは、今回のテーマに合うだけの革新性をもたらしてきたギタリストであると思います。
フィリッパー・トロニクスやポリリズム、轟音ノイズなどの作品を挙げると数が増えてしまうので、ここは第一期(?)キング・クリムゾンの終焉期にあったライブ盤を推させていただきます。


6.Stray Cats:Runaway Boys

かのロバート・フィリップ翁が、「ブライアン・セッツァーのようにギターが弾きたい」と言ったとか言わなかったとか。
このジャンルを網羅できる技術とセンスに加えてオリジナリティも確立している名プレーヤーの初期作品。


7.Dire Straits:Dire Straits

ポスト・パンクのムーブメントに沸いていた70年代後半、ダイアー・ストレイツはルーツ・ミュージックをベースとした独自路線で地味にデビューしました。
ヒット曲も出しますが、どうやら音楽通向けな立ち位置のようです。
それでも、マーク・ノップラーの指弾き、単音、クリア・サウンドは、今改めて評価されて良いように思えます。
私は、ジョン・メイヤー、トム・ミッシュ、デレク・トラックスを選外にしていますが、その代わりにマーク・ノップラーです。


8.Chic:C’est Chic

カッティングの魅力的なギタリストは他にもいますが、ナイル・ロジャースのサウンドは独特の色気があり、一聴して彼だと分かる個性がありました。
この時期、誰もがこのギターの音を欲しがった偉大なギター・サウンドです。

アース・ウィンド・アンド・ファイヤーの「Gratitude」でのアル・マッケイも推したかったのですが、こちらはギター・アルバムとは言えなかったので選外でした。


9.Johnny Winter:Captured Live

ジョニー・ウィンターは、でかくて重いファイヤーバードを抱えてブルース・ロックを早弾きする無骨なギタリスト。
まさに古いタイプの代表ですが、このライブでの縦横無尽な弾きっぷりは清々しいほど。


10.Mahavishnu Orchestra:Bird Of Fire

ジョン・マクラフリンのソロから選ぼうと思ったのですが、ここに戻ってきてしまいました。
ロックとは違う地平に、ロック以上にアグレッシブなギター・サウンドがあるという例です。


雑誌で選ばれていない中では他に、エリック・クラプトン「アンプラグド」や、ザ・バンドの「ザ・ラスト・ワルツ」なども浮かんだのですが、改めて聴いてみると、自分が思っていたほどにはギターが立っていませんでした。

今後、何か思い出して、入れ替えたくなるかもしれませんが、一旦はこんなところで。

投稿:2024.2.11

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